日々、たくさんの方々よりいただいているメッセージの中に、
がん告知を最近受け、病院で仕事を続けていくためのアドバイス等を受けたものの、仕事や趣味の登山は難しくなってしまうのではないか、とても心配をされている方がいらっしゃいました。
がんになってしまった方の多くは、突然に訪れたがん告知時に
「どうして自分が?」
と、まず、驚いたはずです。
たとえ、がんかもしれないという気持ちで検査をしてからの告知でも、ものすごく大きなショックを受けます。
「がん」という病気から「余命」や「死」をイメージする人は多いですが、しかし
近年「がん=すぐ死ぬ、余命数ヶ月」ではありません。
手術や治療をし、元気な人生を過ごされている方も多いです。
なので、がんを告知されたからと言って、仕事や趣味等を全てあきらめることは留まってください。
目次
まず、色々な情報を検索する時は偏らないように注意
自身ががんかもしれないと思ったとき、がんを告知されたときに多くの方は、インターネットから多くの得ようとするでしょう。
ここで、やってはいけないことは、ほんの数個の情報だけ、偏った情報だけを頼りにしてはいけません。
インターネットの場合、検索方法が偏っていると、ヒットする情報も偏っている場合があります。その情報が偏っているがゆえに、あなたの不安が増してしまうかもしれません。
セカンドオピニオンを利用している方も多いと思います。情報も同じように別のアングルからも得てみましょう。
もしかすると、もっと多くの情報や他の検索の仕方であなたに希望の光が見えてくることだってあるかもしれません。
がん告知、がんになった時に役立つ情報サイトの一例
↓↓↓
・患者必携 がんになったら手にとるガイド/国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター
・もし、がんになったら 仕事と治療を両立する公的制度/NIKKEI STYLE
・がん治療のおカネは、本当はいくら必要なのか/Zurich Life
病院やご家族、経験者へ相談。実体験談はとてもためになる
いくらパソコンやスマホでたくさんの情報を得ても、不安は小さくなりにくいです。
私は自分のがん経験から、周囲の人に話す、相談する、そして、もしもできるのであれば、手術や治療の経験者から実体験をきくことが大切と感じました。
最近、がん治療を行う病院では、がんについての冊子が豊富に置いてあったり、がん患者さんへの仕事や手術、治療、治療費、アフターケア等の不安へのアドバイスをしてもらえたり、がん患者さんへのセミナーや情報交換会などを行っているところもあります。
実際の体験者のお話しはわかりやすく理解しやすい
私は、手術で入院をする際、個室にするつもりだったのですが、急遽大部屋に変更して入院しました。
しかし、それにより、同じ部屋のがん先輩から色々な情報が聞け、とてもよかったと感じています。
入院中の病院や先生や治療法のあれこれや他の病院との違いや術後直ぐに注意すべきこと、退院後のおすすめ食事、その先に待っている抗がん剤や放射線治療の副作用や抜け毛、肌のケア、リンパ郭清による浮腫のこと等のことなど、様々な情報を体験者から直に伺うことができ、とてもためになりました。
冊子やタブレットの画面を見ているだけでは、情報を得て疑問に思ったところを質問してその場で回答を得ることは難しいですし、医者や看護師さんからの説明よりも、家でのケアの情報は先輩患者さんの実体験話のほうがリアルで、同じ病気で大変だったこと、便利だったものなどをたくさん教えていただくことができ本当によかったです。
特に、抗がん剤治療の場合で髪もまつげも抜けてしまうことは精神的にも大きなショックですが、先生や看護師さんの非体験者の話は「…という人が多いです。」というのに対して、
「私は抗がん剤2週間目でごっそり抜け始めたわ。」
「ショートにしてウィッグを買っておいたほうがいいわよ。抗がん剤で丸坊主になるから、髪の毛が多くある状態でウィッグ買っちゃうと後でゆるく感じるので短くしてからウィッグ合わせたほうがいいわ。」
「○○のウィッグお勧めよ。安いインターネットのウィッグも意外と大丈夫よ。私、ショートとボブと明るめ毛色とか4種類買ったわ。がんだって、お洒落楽しみたいじゃない♪」
実際、私はこのアドバイスをいただいて、退院後なんとか外を歩けるようになって直ぐに美容院でベリーショートにし、何件かウィッグのお店で試着をし、インターネットも含めて3種類のウィッグを購入しました。
脱毛前にウィッグを手にしていたことが、大きな安心に繋がりました。
病院で渡された冊子やお医者様からの説明からは沢山の大変な話の一部としか思っていなかったことも、体験した方から聞いて「え、それ、そんなに大変なんだ。気をつけなきゃ!」と感じたことは多かったです。
周囲からの言葉は悩みながら発してくれた優しさ
がんになったことを周囲に伝えると、「がんばってね」「たいへんだろうけど」「落ち込まないでね」「きっと大丈夫だよ」と言われることが多いですが
実際には、身体も辛いし、落ち込まないわけないし、100%大丈夫という確信は主治医も付けてくれない。そんなふうに天邪鬼に感じてしまう人もいるかもしれません。
でも、その言葉をかけてくれた人々も「がん」ときいてビックリしてしてしまったはずです。なんて声をかけてあげたらいいのだろうかとても悩んだことと思います。
心配しての言葉です。素直な気持ちで「ありがとう」とうけいれましょう。天邪鬼になればなるほど、自分のストレスにもなります。
いきなり100%不安は解消されない。まず、少しずつやっていく
がん治療は期間を要することが多く、この、期間が長いことも不安のひとつです。いきなりすぐには終わりません。
瞬時にがん細胞を100%完全消滅させることは現在の医学では難しいのです。
仕事、趣味等をすっぱりと、やめる、あきらめるのではなく、少しづつでも解決策を出していきましょう。
がんになってしまったことをいつまでも後悔して振り返っていても時間は戻せません。後悔や不安を増すことは解決には繋がりません。
私もそうですが、現在、がんになっても、仕事や趣味を継続している方は多いです。
もしも、がん告知を受け、仕事を辞めようと考えている方がいらっしゃったら、
その前に、病院や経験者の方に相談する、または、体験談等のお話を伺ってみてください。
がんでも登山をあきらめない。山で治療の気分をリフレッシュ
山の空気や景色をあじわうだけでも、こころが癒されると思います。
登山をやめてしまう人の多くは、
(病気になる)以前のように登れないから
ということで気持ちにやる気を失ってしまうことや身体がしんどいからという理由の人が多いかもしれません。
けれど、そもそも病気となり、手術や治療をしたからには、身体は以前と全く同じではないので、以前と同じような登山スタイルを変えてみましょう。
病気の程度や身体の具合度は人それぞれでだと思いますが、
まず「必ず山頂へ到達する」「登山レベルを落としたくない」「少しくらい無理をしてでも登る」ということは脳内から捨ててください。
山頂へ到達するための登山よりも今のあなたに大切なのは、山をゆっくり楽しむこと。心と気分をリフレッシュするための登山です。
安全無事に家へきたくすることを最優先に考えてください。
あなたのスピードで無理なく歩いて欲しい
がんという病気に向き合ったとき、体や健康、命の大切さを感じたように、
たとえ、ゆっくりな山歩きでも、山の自然、山の命を深く感じることが心のリフレッシュにつながると思います。
そして、がんによって山をあきらめようとしている方がもしもいらっしゃったら、
このゆっくり山マイマイの「みんなの声」をちょっとのぞいてみてください。
病気や後遺症、余命告知後も、登山を楽しんでいる方、治療に前向きな方々のたくさんの声、体験談などを掲載しています。
共感できる声や理解できるメッセージがあると思います。
ひとりで、苦しく辛い気持ちをそのままにしないで欲しいと願っています。
ゆっくり素敵な山歩き。
山にひとつでも多くの笑顔の花が咲きますように。
ゆっくり山マイマイがそんなみなさまのお伴になりますように。
この記事へのコメントはありません。